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何年か前に亜鉛の薬が保険で認可されました。亜鉛欠乏の患者さんに処方する場合どれくらいの金額になるのか薬価を調べたところ、50mg1錠でなんと430円もします。1か月分ですと12,900円になり、3割負担の場合薬代だけで3,870円もかかります。これならサプリメントの方が安いです。
この亜鉛の薬ノベルジンは、亜鉛のみ含有しており他のミネラルは入っていません。ヘム鉄以外のミネラルの小腸での吸収ルートは同じなので、非ヘム鉄・亜鉛・銅などのミネラルを何か1種類だけ多く摂取すると他のミネラルの吸収が阻害されてしまいます。ですから、ある程度身体の仕組みを理解してサプリメントを造るところは、亜鉛のサプリメントに銅も少し含有させます。ですからこの薬を使うと銅不足になる危険性があります。銅は造血に関するセルロプラスミンの材料として必要なミネラルです。ウイルソン病といって肝臓や脳に銅が過剰蓄積して肝障害や神経障害を来す疾患があります。亜鉛のみを多く摂ることで銅の吸収を阻害するという副作用を利用してウイルソン病にこの薬は保険適応されています。
PMS、皮膚炎、湿疹、不妊症などで亜鉛の摂取が必要な場合は、銅も少し含有している亜鉛のサプリメントをお勧めします。