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妊婦健診は公費で検査が受けられる制度です。一般診察(問診、内診、胎児心音聴診)、検査(体重・血圧測定、尿検査)が主な内容で、血液検査は妊娠初期・中後期、臨月の3回行われます。しかし、検査内容はお粗末なもので血算(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、血小板、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC)のみでフェリチン、アルブミンなどは測定されません。ヘモグロビンの測定だけでは鉄の過不足が正確に評価できません。ヘモグロビンは脱水があると高めの値をとりますし、ヘモグロビンが基準範囲内にあってもフェリチンが枯渇している人もいます。鉄の約3分の2はヘモグロビンの材料として利用されますが、残りはミトコンドリア、脳神経伝達物質合成、粘膜・コラーゲン合成などにも欠かせません。赤ちゃんの心臓の壁は筋肉とコラーゲンで形成されますので、鉄が不足すると心臓に小さい穴(心房中隔欠損症など)が開いたまま生まれてくることがあります。
妊婦健診は公費で賄われるので、最低限の検査しかしてくれません。妊娠中のお母さんの栄養状態は赤ちゃんの将来や産後の母体の体調(産後うつや母乳がでないなど)に大きな影響を与えるので、ここは多少コストがかかっても分子整合栄養医学的な血液検査を妊娠中にお受けになることをお勧めします。