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栄養療法は保険の薬による治療と違い、量をしっかり摂取しないと治療効果がでません。保険の薬は、1日に飲む量が決まっていますのでそれを守らないと副作用がでます。決められた量を飲んでいても副作用はでます。それは、薬は人間の体内に存在しない異物だからです。異物は解毒排泄しなければいけません。一方の栄養素は、細胞を構成する分子なので、解毒排泄する必要がなく、薬のような副作用は基本的には生じません。
患者さんに血液検査結果に基づいて、栄養処方の説明をすると、多くの人はこんなに飲むんですか?と驚かれます。私も栄養療法を学び始めた時は、どうしても薬の処方の習慣が抜けなくて、栄養素を師匠のようにどばっと処方することがなかなかできませんでした。しかし、栄養療法を行っていくうちに、ドーズレスポンス(容量依存性)の重要性に気づきました。ちびちび栄養素を摂取してもデータはもちろん症状もなかなか改善しません。患者さんは、この処方案の中からどれか一つだけ摂るとしたらどれがいいですか?と尋ねる人も多いですが、人間の身体は1種類の栄養素からできているわけではないので、不足している栄養素をすべて摂取した方が早く良くなりますよ、と説明します。とにかく栄養療法ではどれだけ細胞の不足を是正できるか、に治療の成否がかかっていますので、栄養素の種類、量、質(質が悪いと吸収されにくい、他の栄養素の吸収を阻害するなど)が重要です。市販のサプリメントと栄養素は似て非なるものなのです。