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食べています≠栄養が充足している

血液検査結果の説明で、「タンパク質の食べる量が少ないですね」と言うと、「タンパク質ってどんな食べ物ですか?」と聞かれることがあります。「肉、魚、卵、豆などが高タンパク質な食材です」と答えると「私、お肉食べていますよ」と多くの人は反論します。一口、二口食べて食べた気になっているだけで、必要な量を食べていないと栄養的には摂取しているうちにはなりません。体重40kgの人なら肉や魚などの高タンパク質な食材を合計500gくらい毎日食べないと必要なタンパク質を取り込めません。セロトニン合成やPMS予防に必要なビタミンB6を例にとりますと、1日に摂ったほうがよい目安量は50mgですが、豚肉で5kg以上食べないと確保できません。ちなみに、私はビタミンB6は1日150mg摂っています。少し口にした=必要な栄養素を確保できている、ということにはならないのです。
タンパク質も、その人の活動量、胃の機能、消化吸収力などによって同じ体重でも摂取量が変わります。ビタミンBは、需要の個体差が激しいいので少ない量で代謝が回る人とそうでない人では20倍もの差が開くこともあります。分子整合栄養医学では、血液データを見ながら栄養が充足しているかどうか類推します。画一的にこの栄養素は1日何mgというように設定するのではなく、個々人の血液データや症状をみながら摂取量を決めていかないと、細胞を理想的な栄養状態に保つことは難しいのです。