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皮膚炎や湿疹でgdmクリニックを受診される方の殆どは、すでに皮膚科を受診し治療を受けています。どんな薬を処方されていますかと尋ねると、「ステロイドはよくないと聞いたので塗っていません、ステロイドでない塗り薬を塗っています」と答える人がいます。それはなんという薬ですかと聞いても、薬剤名を覚えていない場合が多いですが、かばんに入れて持ち歩いている人も少なくないので、かばんにあるのに気づくと出して見せてくれます。するとチューブにばっちりと「副腎皮質ホルモン」と書かれています。副腎皮質ホルモンはステロイドのことなんですよ、と告げると「えっ、そうなんですか」と驚かれます。ステロイドの副作用を怖がる患者さんが多いので、ステロイドではない薬と言って皮膚科医が処方しているのかどうかは知りませんが、副腎皮質ホルモン=ステロイドと認識していない患者さんは少なくない気がします。
副腎皮質ホルモンは、その名の通り人間の副腎皮質という場所で産生されているホルモンです。人工的な副腎ホルモンを塗ると、副作用が生じます。この副作用がくせもので、ステロイドを連用するとよくないことがいろいろと起きるわけです。皮膚萎縮(皮膚が弱くなる、バリア機能が低下してアレルゲンが侵入しやすくなる)、免疫能の破たん(皮膚にある免疫細胞が激減するので異物の処理ができなくなる)、易感染性(ステロイドは免疫抑制剤なので皮膚で細菌などが感染しやすくなる)などの副作用によって、皮膚炎や湿疹が逆に悪化し難治性になります。
皮膚炎や湿疹は、栄養不足や腸内環境の乱れが原因の場合が多いので、ステロイドを連用することは根本的な問題解決にならないばかりか、病態を悪化させてしまいます。皮膚の健全化に必要な、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB、亜鉛などの不足が皮膚炎の原因ならば、これらの栄養素をしっかり摂取することが根本的な解決方法です。また、炎症を改善させるためには、人工的なステロイドホルモンを塗るのではなく、自分の副腎に副腎皮質ホルモンの材料になるビタミンCやコレステロールなどを供給することで、ステロイド外用による副作用を避けることができます。