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健診やドックを受けるとコレステロールを測定しますが、基準値を超えると要精密検査や要治療というコメントがすぐつきます。そもそも基準値の設定がいい加減なのをみなさんご存じでしょうか?一般的に血液検査項目の基準値は母集団の平均値の±2倍で設定します。しかし、脂質の基準値は動脈硬化学会などの意向で設定されます。基準値を厳しくするとひっかかる人が増えます。つまり、薬での治療が必要な人が増え、薬がたくさん売れます。
コレステロールの7~8割は肝臓で合成されます。人間にとってコレステロールは欠かせないものなのでせっせと肝臓で合成しているわけです。分子整合栄養医学的には総コレステロールは260mg/dl前後あるのが望ましいと考えています。コレステロールは細胞膜、性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの材料として欠かせません。血管壁を維持するのにも必要ですので、低すぎると血管がもろくなって逆に脳出血や脳梗塞を起こしてしまいます。また脳神経維持にも重要な成分です。
LDLコレステロールは酸化しやすいので悪玉コレステロールと呼ばれていますが、酸化しなければ悪さはしません。LDLコレステロールが200mg/dlを超えていても動脈硬化を起こしていない人はたくさんいます。逆に低くても心筋梗塞などを起こす人もいます。脂質の酸化が起きなければよいわけで、そのためにはビタミンEなどによる抗酸化アプローチが重要になってきます。どうしてもコレステロールが高いのが気になるという方は、スタチン系の薬ではなくEPA製剤でマイルドにコレステロールを下げるのがよいでしょう。EPAには血小板凝集を抑える力がありますので血栓ができにくくなります。