blog

ステロイドによる皮膚萎縮

皮膚炎、湿疹に対してステロイドを塗っていると、今まで出ていなかった箇所にも皮膚炎が出現することがよくあります。これはステロイドの副作用である皮膚萎縮が関係しているのではないかと考えます。皮膚萎縮は添付文書にも記載されている有名な副作用ですが、簡単に説明するお皮膚が薄く弱くなってバリア機能が低下してくるということです。皮膚は外界に接しており、外から体内に異物が侵入するのを防ぐ働きをしてくれています。しかし、ステロイドを連用していると皮膚萎縮が起き、異物(アレルゲン)が侵入しやすくなります。侵入してくるアレルゲンが増えてくると、塗っていた箇所以外にも皮膚炎が出現してきます。ステロイドは免疫抑制剤なので根本的な皮膚炎の治療ではなく対症療法にすぎません。そればかりか、皮膚萎縮や副腎機能抑制などを来して皮膚炎を水面下で悪化させているのです。
根本的な治療としては、皮膚強化と副腎皮質強化になります。まずは皮膚萎縮を来すステロイドの外用を減らすもしくは中止すること、そして皮膚に必要な栄養素をしっかり摂取すること、副腎皮質でしっかりとステロイドホルモンを産生させること、などが欠かせません。塗った期間が長いほど治りが悪くなりますので、できるだけ早めに塗るのを止めないといけません。できれば皮膚炎が起きてすぐに分子整合栄養医に相談してくださるのが一番です。