不妊には漢方よりも栄養を

なかなか妊娠しない場合、まず受診するのが産婦人科だと思います。産婦人科での不妊治療に抵抗を感じる方は、漢方治療を受ける人が多いようです。しかし、原因不明不妊症の多くは栄養欠損が背景にあるので、まずはそこを是正しないことにはなかなか妊娠できません。漢方薬は安全と思っている人も多いですが、人間にとって異物ですので肝機能障害や間質性肺炎などの副作用も珍しくありません。
栄養療法による不妊治療を希望されて受診される方の殆どは、既に産婦人科での不妊治療を受けています。また漢方薬も併せて飲んでいると言う人も少なくありません。しかし、血液検査をすると栄養状態が悪い方が殆どです。漢方薬を飲んでも栄養欠損は是正されません。漢方薬にはヘム鉄や亜鉛、タンパク質などの栄養素は含まれていませんので当然といえば当然のことです。漢方薬で血流を良くしたり胃腸の機能をよくしたりして間接的に栄養吸収をよくすることは多少可能かもしれませんが、栄養欠損をダイレクトに是正するには栄養療法しかありません。
不妊でお困りの方は、何はともあれまずは栄養状態を把握し、栄養欠損があればそれを是正することが妊娠への近道になります。まずは、分子整合栄養医学的な血液検査をお受けになることをお勧めします。