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アトピー性皮膚炎だけでなく主婦や美容師に多い手湿疹にもステロイド軟膏が皮膚科を受診するとお約束のように処方されます。ステロイドの添付文書には副作用として皮膚萎縮が記載されています。皮膚萎縮とは簡単に説明すると、皮膚が薄くなりバリア機能が低下してしまうことです。皮膚は異物が侵入しないように私たちの体を守ってくれている重要な臓器です。皮膚は常に異物と接しており、最前線で変なものが皮内に侵入しないようにバリアを張って守ってくれているのです。それなに、手湿疹に対してステロイドを手に塗ると皮膚のバリア機能は低下、皮膚免疫能は破たんしてしまい、容易に手から異物が侵入してしまいます。そのため、ステロイドを塗るのを止めるとすぐ悪化してしまいます。
手湿疹は皮膚のバリア機能が弱い=皮膚に必要なタンパク質、亜鉛、ビタミンAなどが不足していることが原因です。ですから、皮膚萎縮を起こさせるステロイドを塗っていては治るどころかどんどん病態を悪化させてしまいます。亜鉛華軟膏を塗った炎症を治したりワセリンで皮膚を保護したりしながら、タンパク質、ビタミンAなどで皮膚を強化していくことが根治につながります。