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栄養療法は高齢者におすすめ

高齢になる食欲低下、歯の状態が悪くなり咀嚼力低下、消化吸収能の低下、タンパク質の異化亢進同化低下などによってタンパク質を中心とした栄養不足が顕著になってきます。タンパク質は筋力維持に欠かせません。筋力低下は歩行能の低下や腰痛、膝関節痛の原因になります。歩行できなくなると脳機能の低下し一気に老化が進みます。タンパク質は筋肉維持に必要なでけでなく、免疫能維持にも欠かせません。外界に接する粘膜や皮膚もタンパク質が材料です。またウイルスや細菌と闘う白血球、抗体、補体、マクロファージなどもタンパク質が材料です。高齢者がコロナウイルスで亡くなる率が高いのもタンパク質不足が背景にあるからです。
血液中のタンパク質の一種であるアルブミンと酸素を運搬するヘモグロビンの値は一種の長寿マーカーと言われており、アルブミンとヘモグロビンが高いお年寄りは元気で長生きできる人が多いということが疫学調査で分かっています。分子整合栄養医学でも、アルブミンとヘモグロビンの値を重要視しています。
成長期のお子さんや妊婦さんもそうですが、高齢者の方もタンパク質を中心とした栄養摂取が重要な世代と言えます。しっかりと、肉、魚、卵、豆などの高タンパクな食材を食べるようにしてください。ただし、消化酵素もタンパク質でできていますので、タンパク質不足の高齢者がいきなりタンパク質をたくさんたべてもうまく消化できません。ですから、50代、60代から意識してタンパク質を食べて消化酵素をしっかり作れる体作りの準備をしておく必要があります。