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うつ病はアメリカ精神医学会が作成した精神障害の診断と統計マニュアルであるDSM-5によって診断されます。うつ病とは、ほとんど毎日の抑うつ気分、興味、喜びの著しい減退などの症状が2週間以上継続することを特徴とする精神科疾患ですが、うつ症状を呈する疾患はうつ病だけではありません。DSM-5には、甲状腺機能障害などの身体疾患および薬剤や認知症、低活動性せん妄、アルコール誘発性を除外する、とちゃんと書かれています。しかし、心療内科を受診しても、血液検査等で甲状腺疾患や貧血などの身体疾患をちゃんと除外しているところは少ないようで、問診のみでうつ病と診断されているケースが殆どです。
うつ病を診断されると、多くの場合、抗うつ剤や眠剤を処方されます。改善がなければ強い薬に変更になったり薬の種類が増えたりします。思春期の生徒や生理のある年代の女性に多くは鉄欠乏状態に陥っています。脳の神経伝達物質のセロトニンは鉄、必須アミノ酸、ビタミンB群などから合成されますので、鉄不足の人はうつ症状がでやすくなります。またエネルギーを産生するミトコンドリアにも鉄が欠かせないので、すぐ疲れる、だるい、といったうつ病患者さんと同じような症状が見られます。うつ病の治療にセロトニンの脳内での取り込みを阻害する薬が処方されますが、栄養欠損でそもそもセロトニンがちゃんと作れていない人が内服しても、セロトニンの絶対量が少ないので取り込み阻害薬を飲んでも効果はでません。悪いことに薬の代謝酵素は鉄が必要なので、鉄不足の人は薬の副作用も起きやすくなります。
意欲の低下、やる気がでない、だるい、眠い、すぐ疲れる、何をするのもおっくう、といった症状でお困りの方は、一般内科(栄養欠損の診断はできません)や心療内科を受診する前にまずは分子整合栄養医にご相談ください。