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薬剤性認知障害

ポリファーマシー(薬の多剤処方)や残薬が問題になっています。特に高齢者は、複数の疾患を抱えている場合が多いのでどうしても飲む薬の量が増えます。薬には副作用がつきもので、多く飲めばどんな反応が体内でおきるか分かりません。薬の副作用による症状に対してさらに薬が追加されることも少なくありません。
高齢化社会で認知症の患者数が増えていますが、認知障害の中に薬剤性のものが3割ほどあると言われています。薬剤の成分や相互作用などによって、ふらつきや転倒、記憶障害、抑うつなどの症状が現れるケースがありますが、これらは高齢者にはよく見られる症状であるので薬剤が原因とは気づかれにくいのが現状です。医者は自分の処方する薬で副作用などおきないと思っている人が多いように思います。私の場合は、高齢者の訴える症状の背景に今飲んでいる薬が悪さをしていないか常に考え、減薬する方向で診療にあたります。また、生理学的、分子整合栄養医学的に不要、有害と思う薬はやめるようにアドバイスしていきます。しかし、多剤処方に慣れている医者自ら自分の処方している薬を減らすことはまずありません。薬剤師や介護者との連携で多剤処方を改善していこうという動きもありますが、処方の権限は医師にあるのでなかなかうまくいかないと思います。最終的には、薬にあまり頼らない医療をする医師を主治医にするしかありませんが、殆どの医師は薬で病気を治すものと思っているのでなかなかそういう医師に巡り合うことができません。分子整合栄養医は食事、栄養で改善できるものは薬を使いませんので、一般の医師よりも処方する薬の量は少ないと思います。多剤処方、残薬などでお困りの方は分子整合栄養医に相談してみるのもいいかもしれません。