blog

過剰になりませんか?

栄養療法では、症状、問診、血液検査結果をもとに栄養素の処方をします。同じ病名でも、血液データや症状に応じて使う栄養素や摂取する量は異なります。いわゆる個人個人の病態、栄養不足に応じた治療なのでオーダーメイド療法とも言います。鉄欠乏が著明な方には、最初のうちはかなりの量を摂取するような処方案にします。患者さんの中でこんなに飲んで過剰になりませんか?と心配される方がいます。15年以上栄養療法を行っていますが、女性の場合ヘム鉄の摂取で貯蔵鉄が過剰になったことは一度もありません。鉄は吸収されにくい栄養素なので、なかなかフェリチンは増えてくれません。さらに女性の場合は、月経で鉄を失うのでなかなか増えません。不足によって症状が出現しているのに、過剰の心配を心配している場合ではありません。小腸は賢いので、天然の栄養素の吸収をうまくコントロールしてくれますので経口摂取の場合は過剰を心配する必要はありません。過剰がどうしても心配なら、1~2か月後に血液検査の再検をすれば納得できると思います。ただし、鉄剤の注射は危険で、過剰な鉄は利用されずに肝臓、心臓、膵臓などの臓器に沈着して活性酸素を出し続けますので要注意です。