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市販のサプリメント

栄養療法で用いるサプリメントは、含有量、分子量、配合などを考慮して設計製造されているため、どうしても市販のサプリメントと比較すると高くなります。患者さんも私が処方した通りに栄養素を摂取せずに、市販のサプリメントで代用する人が時々います。しかし、市販のサプリメントは治療目的で設計製造されていませんので、基本的に治療には使えません。つまり、血液データの改善がない=病態を改善できない、ということになります。
少し前の週刊現代にサプリメントの悪口記事が載っていました。記事には間違った内容のものもたくさん書かれていましたが、興味深かったのは、市販のサプリメントの溶解試験の結果でした。国民生活センターが「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査」で行われた崩壊試験結果です。胃酸や消化液を再現した液体にサプリメントを入れ、30分、1時間などと規定の時間が経ってから、溶けているかを見る試験で、DHC、アサヒ、小林製薬、オリヒロ、万田酵素、新谷酵素などのTVでよく宣伝している有名メーカーのものが「溶けない」という結果になっていました。溶けないのは論外ですが、それ以外にも分子量が大きすぎると吸収されにくい、マルチビタミンは栄養素同士が反応して力価が落ちたり成分が変化したりする、ある特定の成分ばかりを入れると他の成分の吸収が妨げられる、などの問題点もあります。
やはり分子整合栄養医学、生化学、生理学、薬理学を熟知した人が設計製造したものでないと栄養療法では使えません。有名メーカー、大手メーカーでも結構とんちんかんなサプリメントを作っていますので要注意です。