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タバコを吸うと肺癌、口腔癌、喉頭癌、食道癌、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などのリスクが高まることを知っている人は多いと思います。しかしタバコの害は、呼吸器系た癌だけではありません。
タバコに含まれるニコチンは、副腎を刺激してカテコールアミンという物質を分泌させます。カテコールアミンが増えると、脂肪分解させる酵素が活性化し脂肪組織から遊離脂肪酸が大量にでてきて肝臓に集まり、VLDLという動脈硬化の原因となる悪いコレステロールが増えます。またタバコからの活性酸素がコレステロールの酸化を促進させます。
その他にもカテコールアミンは、末梢血管を収縮させ、血圧上昇、心拍数の増加をもたらします。タバコの煙には1~3%の一酸化炭素が含まれていますが、この一酸化炭素は、酸素を運ぶ血中のヘモグロビンに強く結びつき、酸素を運ぶ能力を低下させるため、喫煙は慢性的な酸素欠乏状態を生みます。このため、酸素の欠乏を補おうとして赤血球が増加し、血液を粘稠にします。さらには血小板の凝集作用を高めて、血栓症(血管が詰まる) を起こしやすくします。
このように、喫煙は、脂質代謝を悪化させる・血管を収縮させる・血液を粘稠にさせる・血栓ができやすくなる、などを引き起こし動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など)の原因になるのです。コレステロールを下げるスタチン系の薬を飲むよりも、喫煙者は禁煙する方がはるかに動脈硬化を予防できます。