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タンパク質は人間にとって最も重要な栄養素です。タンパク質は英語にするとプロテインになります。プロテインときくと筋肉の材料とイメージしがちですが、筋肉以外にも血液、皮膚、粘膜、骨、酵素、抗体、腱、運搬蛋白(栄養を運ぶトラック)などの材料として欠かせません。食いだめができない栄養素なので毎日一定量のタンパク質を摂取する必要があります。
プロテインにはホエイ、大豆、ライスプロテインなどがあります。ホエイプロテインが消化・吸収がいいと世間で言われていますが、一概にはそうは言えません。大豆プロテインでも低分子加工してメチオニンを添加すればプロテインスコアも消化吸収もホエイプロテインに勝る場合もあります。
抗がん剤治療で腸粘膜がダメージをうけて嘔吐下痢などの副作用がよく起きます。当然食欲も落ちますし、栄養の吸収も悪くなるのでアルブミンというタンパク質が減ります。先日、抗がん剤治療を受けている患者さんに血液データを見ると、貧血になっていました。抗がん剤の副作用で骨髄抑制が生じて貧血になるのですが、血液はタンパク質が材料として重要なのでタンパク質不足でも貧血になります。患者さんにしっかりタンパク質を食べてください、と言ったところ「先生、タンパク質摂るにはやはり米ですか?」と訊かれびっくりしました。米にもタンパク質は含まれていますが、高タンパク質な食材は「卵、肉、魚、豆などです」と答えると「そうですか」と言われてしまいました。こちらが当たり前と思っていることでもちゃんと認識理解していない人がいることが判りました。なので、当たり前のことだからいちいち説明しなくてもいいとかブログに書かなくてもいいと考えずに、何度も基礎的なことを書いて伝えていく必要性があることを痛感した次第であります。