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ポリファーマシーとは薬の多剤服用のことを言います。高齢者のポリファーマシーが今問題になっています。多剤投与になる原因は、病態を根本的に治のではなく症状に応じて薬を処方し症状を抑えることを主眼においているためではないかと私は思います。薬には副作用がつきものです。薬を飲むことで副作用によって新たな症状が出現します。患者さんが新たな症状を訴えるとその症状に対する薬が追加されます。そうこうしているうちに10~20種類もの薬を飲む羽目になってしまうのです。
薬偏重の風潮は、医者も患者さんも薬で病気を治すものと勘違いしているからだと思います。〇〇病院に行ったけど、あそこの医者は薬も出してくれなかった、と文句をいう人は少なくありません。風邪はウイルス感染が原因のことがほとんどなので薬では治りません。ゆっくり休むのが一番です。風邪だけでなく、慢性疾患の殆どは薬では治りません。発症の原因は細胞レベルでの栄養欠損なので、根本的に治そうと思うと薬ではなく不足栄養素の補充になります。病態によっては一時的に薬の力も借りる必要がありますが、薬の漸減、中止をすることを前提で薬の力を借りるべきです。薬の種類、数がどんどん増えるようでは、その治療の方向性が間違っていることになります。ただし、本態性高血圧症などは、薬を飲んで血圧をある程度下げたほうがいいので、この場合は一生薬を飲む方がメリットがあります。
多剤服用でお困りの方に対しては、gdmクリニックに転院される場合に限りお薬の整理をして薬を減らすこともしています。ただ、今通っている医療機関に通ったままの状態で、この薬とあの薬をやめましょう、と言うと処方医からクレームが来る可能性がありますのでできません。
薬は人間の体内には無い異物です。多く飲めば飲むほど様々な薬の副作用が出現しやすくなります。人間の身体は全て食べた栄養からできています。薬に全面的に頼るのではなく、食事や生活スタイルをまず見直すことが重要です。