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先日小学4年の次男が山の学校に行ってきました。岡山に「岡山市立少年自然の家」という施設があり、小学4年生の時にその施設に1泊で研修に行くというものです。私も40年前に山の学校に行ってます。小川を歩いたりフィールドワークをしたりして自然と触れ合います。次男は、イノシシの赤ちゃんとヘビを見た、と言っていました。山の学校での出来事を次男からいろいろ聞いている時に、「○○君は朝調子がでんのんよ」と言うので、「どういうこと?」と訊くと、仲良しの○○君を朝起床時間に起こしてもすぐ寝てしまいなかなか起きなかったそうです。
朝苦手、朝なかなか起きられない、というのは起立性調節障害の予備軍である可能性が高いです。次男も幼稚園に通いだしたころなかなか朝起きないので、貧血を疑い血液検査をしたらヘモグロビン、フェリチンが低く鉄欠乏性貧血でした。鉄を飲みだして朝は比較的起きられるようになりました。小児の採血は泣いたり動いたりして危険(針を刺したときに動くと神経を傷つけることがあります)なので、10歳以上で血液検査をする意味を理解しているお子さんにしか当院では採血しませんが、採血した子はみな貧血もしくは鉄欠乏です。赤ちゃんはお母さんに鉄欠乏がなければたっぷりの鉄の貯金を持って生まれてきますが、赤ちゃんは急激に大きくなるので生後半年もすれば循環血液量の増大や骨の成長に鉄が必要なので鉄の貯金をくいつぶしてしまいます。そして、そのまま鉄の貯金が少ないまま小学生になり、思春期にまた急激に成長する際に残り少ない鉄の貯金を使い切ってしまうと、朝起きられなくなります。そして小児科を受診すると起立性調節障害と診断されます。
小学生のころから朝起きられない子は鉄欠乏の可能性が大ですし、思春期にさらに鉄欠乏が進行して、登校できなくなるリスクが高いと思います。子供のころから赤身の肉をしっかり食べる、食の細い子はヘム鉄を補充する、といったことをお勧めします。