慢性疲労は体力不足のせい？

寝て起きても疲れがとれない、すぐ横になりたい、何をするのもおっくう、動くとすぐ疲れる、といった慢性的な疲労でお困りの患者さんの中には、「こんなに疲れやすいのは運動していないので体力がないせいかもしれないから頑張って運動してみようと思って運動するんです。でも運動した後はぐったりして動けなくなってしまいます」と言う方がいました。健康な人が適度な運動をすれば心肺機能が強化されスタミナはつきますが、鉄欠乏や貧血の患者さんはハードな運動は逆効果です。貧血状態で運動すると心臓に負担がかかってしまいます。
鉄はエネルギーを産生するミトコンドリアに必要なので、鉄欠乏ですとエネルギー産生がスムースに進まず易疲労になります。ですから鉄欠乏による慢性疲労の患者さんは、運動でスタミナをつけるのではなく、ミトコンドリア機能を強化する栄養アプローチが必要になります。