blog

突然朝起きられなくなった

朝起きられなくなり登校できなくなった小学校高学年~中学生のお子さんは、小児科を受診すると起立性調節障害と診断されます。昇圧剤内服による治療が一般的ですが、飲んでもよくならないので飲むのを止めたという話をよく訊きます。野球やラグビーをしていた活発な子が、いきなり登校できなくなることに親御さんはびっくりされます。「いきなりこんなふうに朝起きられなくなるんでしょうか?」とよく親御さんに質問されます。幼児~小学生の子は殆どが鉄欠乏もしくは貧血状態にあります。骨が伸びるには鉄、タンパク質、ビタミンC、亜鉛などの栄養が必要です。測定することがあまりないので知られていないだけで子供の殆どは鉄欠乏状態です。思春期になると背が一気に伸びだしますので、今まで以上に鉄の需要が亢進します。鉄の貯金が少なかった子は一気に貯蔵鉄が枯渇してしまい、いきなり症状がでるのです。
いきなり朝起きられなくなるのですが、実は予兆はあります。頭痛、意欲の低下、ふらつきなども鉄欠乏による症状です。子供に野菜を食べなさいと言う親御さんが多いですが、子供は野菜よりも肉を食べないといけません。平素からヘム鉄を多く肉をしっかり食べ、頭痛や意欲の低下が見られたら早めに治療用のヘム鉄を飲んでおくと、朝起きられなくなって登校できなくなることを防ぐことができます。