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女性アスリートは、一般女性よりも鉄欠乏性貧血のリスクが高くなります。月経による出血以外に、①大量発汗による鉄の排泄増加、②足底からの衝撃による溶血、③ストレスによる消化管からの微量出血、④活性酸素や筋運動による体蛋白の異化亢進、などが原因として挙げられます。鉄欠乏になると酸素運搬能やエネルギー産生が低下し、十分なパフォーマンスを発揮できなくなります。造血にはヘム鉄、タンパク質、ビタミンBなどの補充が欠かせません。ヘモグロビンを高めるだけでなくフェリチンの値も高めるとより運動能が向上します。
特に成長期の女子は、練習で消費するカロリー・栄養にプラスして成長需要分のカロリー・栄養の補給もしなくてはいけません。長距離アスリートは、痩せすぎやストレスによって月経が停止している人が少なくありません。低エストトロゲン状態が続くと骨粗しょう症による疲労骨折のリスクが高まります。また不妊のリスクも高くなります。競技でよい結果を残すことも重要ですが、将来を見据えた健康管理もしっかり行う必要があります。女性アスリートの方には栄養療法をお勧めします。