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三つ子の母親が、夜泣きをした次男を床に投げて死なせたといういたましい事件が今年の春にありました。先日、事件の起きた豊田市の児童虐待事例外部検証委員会は、多胎家庭に対する支援の充実などの取り組みの強化を提言しました。1人の赤ちゃんを育てるのでも大変なのに、一度に2人、3人の赤ちゃんをお母さんだけで育てるのは非常に困難です。
多胎妊娠ですが、排卵誘発剤の内服や体外受精などの生殖補助医療などをしている場合になりやすいです。多胎妊娠は母子ともにリスクが増します。妊娠高血圧、出血過多、早産、低体重などが起きやすくなります。また多胎妊娠したお母さんは妊娠中必ずと言っていいほど貧血になります。赤ちゃん2人、3人に栄養を与えないといけないので当然のことです。しかし、栄養療法を妊娠中もしっかり行っていると貧血にはなりません。栄養療法をされている双子を妊娠出産されたお母さんから、双子妊娠の場合絶対に貧血になるのになぜあなたは貧血にならないのか?と産婦人科医やナースから不思議がられた、というお話をよく聞きます。
少し前のブログにも書きましたが、妊婦さんの貧血は産後うつ発症の原因になります。とにかく貧血は放置していはいけません。適切な栄養アプローチをすれば多胎妊娠しても貧血になることはありません。産後お母さんの身体も楽ですし、赤ちゃんの精神も安定しやすいです。というのも、鉄は神経の成長に欠かせないからです。タンパク質、鉄、ビタミンB群などを妊娠中に摂取すると、赤ちゃんの神経の発達がよくなり、生まれてからも夜泣きやひきつけなどを起こしくくなります。当然妊娠中に栄養状態を高めておくと母乳の栄養価もよくなり、赤ちゃんの成長も健やかになります。
妊娠中こそ栄養摂取が大切です。特に多胎妊娠した場合は1人妊娠に比べて栄養の需要量が多くなります。早産、妊娠高血圧、産後うつなどを予防するためには、妊娠中から適切な栄養アプローチを行っておく必要があります。ただ、産婦人科ではそういう指導はできませんので、分子整合栄養医にご相談ください。