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人間ドックなどでヘリコバクター・ピロリのIgG抗体の測定をされることがあります。抗体価が高いと胃にピロリ菌が感染していることを意味します。しかし、抗体が陰性の場合でも内視鏡検査をするとピロリ菌感染していることがたまにあります。抗体とは、自分とは違った異物(ウイルス、細菌、花粉などの抗原)が体内に入り込むと、それらを体内から追い出すために作る対抗物質です。抗体の材料はタン白質なので、タン白質が不足している赤ちゃんや老人は抗体をうまく作れません。大人でもタン白質不足だったり免疫不全症だったりするとうまくIgG抗体が作れず陰性になります。
先日もドックの血液検査でHP抗体陰性でしたが、胃痛があるため胃内視鏡検査をすると萎縮性胃炎があり、培養検査でピロリ菌が陽性だった人がいました。培養検査はピロリ菌を直接確認するので培養で陽性なら間違いなく感染があるという証拠です。血液検査の抗体が陰性でも、胃の症状がある人、家族歴に胃癌や胃潰瘍の人がいる、という方は一度内視鏡検査を受けておくことをお勧めします。