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かなり以前に師匠から、低尿酸の家系の人は認知症や癌の発症が多いので抗酸化アプローチが重要です、と教えていただいたことがあります。先日の医療系のネットニュースに、尿酸値と認知症リスクの関連性について44年間追跡調査した結果に関する記事が載っていました。尿酸値が高いと、認知症、アルツハイマー病、血管性認知症のいずれのタイプでも発症リスクが低いことが示されたとのこと。逆を言うと、尿酸値が低いと認知症のリスクが高まる可能性があるということです。多発性硬化症(MS)という脱髄疾患でも血中尿酸値が低い傾向にあるそうです。多発性硬化症の脱髄形成時期に出現するマクロファージ胞体内に誘導されるキサンチン酸化酵素(XO)と誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)により、細胞毒性の強いパーオキシナイトライトが産生されるますが、このパーオキシナイトライトを解毒させるために尿酸が使用されます。
尿酸の働きの1つは、生体内で生成されるラジカルを消去することです。酸化ストレスにより生成した蛋白質・脂質等のラジカルとその酸素分子との反応により生成するパーオキシラジカルは尿酸が速やかに処理します。そしてその結果生成される尿酸ラジカルは、アスコルビン酸(ビタミンC)によりすみやかに還元され再生されます。以上のことより、尿酸値が低い人は活性酸素による細胞の障害を受けやすいといえるのです。癌も認知症も活性酸素が発症に関与していますので、低尿酸の人は細胞の酸化が起きやすいのです。ですから尿酸値が基準値を下回っている場合、ビタミンCなどの抗酸化物質をふつうの人以上に摂取(1日5g以上)することをお勧めしています。